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自動インライン希釈によるイオンクロマトグラフィーの精度と効率の向上

2024/05/06

記事

こちらの記事は Part 3 のシリーズ

分析技術者は、分析作業に必要な高い精度、業務量の多さ、限られたリソース、これらのバランスを取ることに苦労することがよくあります。正確で信頼性の高い測定結果を得るには、分析システムのキャリブレーションと高濃度サンプルの希釈という、分析精度を極限まで高める2つの基本的な手順が頻繁に必要となります。イオン クロマトグラフィを使用する場合、この手作業による作業を減らし、作業効率を高めるために、完全に自動化された解決策が存在します。希釈などのサンプル前処理は、メトロームのインライン希釈技術 (Metrohm Inline Dilution Technique: MIDT) で自動的に実行できます。

はじめに

イオンクロマトグラフィ (IC) における定量には、定義された測定範囲をカバーする検量線が必要です[1,2]。通常、濃度の異なる検量線標準溶液は、高濃度標準溶液から手動で希釈され調製されます。イオンクロマトグラフでは、分離カラムと検出器を保護し、マトリックスの影響を軽減し、測定濃度が検量線の濃度範囲内に収まるようにするため、サンプルの希釈も非常に重要です。これらの作業は時間がかかり、人為的ミスや汚染のリスクが高くなります。メトロームの希釈および校正用の完全自動化インテリジェント インライン ソリューションは、これらの課題を克服します (表 1)。

メトローム 800 ドジーノは、この完全自動化プロセスで要求される精度と正確さを維持するための重要なカギであり正確で柔軟性の高い液体ハンドリング装置です。MagIC Net ICソフトウェアにより、すべての液体ハンドリングとドージングタスクが制御され、完全に自動化されます。

表 1. 高濃度サンプルおよび検量線標準液の希釈における手動および自動化プロセスの評価
手動希釈、検量線標準液とサンプルの手動調製 自動インラインプロセス
手動エラー ドシーノによる正確なリキッドハンドリング
時間がかかる 自動
多段階希釈 一段階希釈
高い汚染リスク インライン洗浄