ディーゼル排気液(DEF)の品質管理は、最適な触媒性能を確保し、ディーゼル車の排気システムへの損傷を防ぐために重要です。尿素含有量を測定する標準的な方法は、屈折率の測定 (ISO 22241-2:2019) であり、この方法は迅速ですが、他の方法 (例えば、HPLC)ほど正確ではないという問題点があります。このアプリケーションノートでは、DS2500リキッドアナライザー用いて、ディーゼル排気液(DEF)中の尿素定量を高精度に迅速に行えることを実証しています。サンプルの前処理不要で、化学薬品を用いない可視-近赤外 (Vis-NIR) 分析法により、ディーゼル排気液(DEF)の分析が1分以内で可能となります。
このアプリケーションノートでは、DS2500リキッドアナライザーを用いて、ディーゼル排気液(DEF)中の尿素定量を高精度に迅速に行えることを実証しています。サンプルの前処理不要で、化学薬品を用いない可視-近赤外(Vis-NIR)分析法により、ディーゼル排気液(DEF)の分析が1分以内で可
能となります。
| 装置 | メトローム 製品番号 |
|---|---|
| DS2500 Liquid Analyzer | 2.929.0010 |
| Disposable vials, 2 mm diameter, transmission | 6.7492.000 |
| Vision Air 2.0 Complete | 6.6072.208 |
測定した16種類のサンプルの全Vis-NIRスペクトル (図2)を用いて、尿素含有量の検量線予測モデルを作成しました。検量線予測モデルの精度はNIR予測値と従来分析値の相関モデルにより評価しました。それぞれの統計値(FOM)は、日常(ルーチン)分析時の予測精度を表します。
| 統計値 | 数値 |
|---|---|
| R2 | 0.999 |
| 検量線標準誤差(SEC) | 0.23% |
| 交差検証時標準誤差(SECV) | 0.25% |
このアプリケーションノートでは、ディーゼルエンジン排液(DEF)中の尿素含有量をDS2500リキッドアナライザーを用いて精度良く測定できることを実証しました。Vis-NIR分光法は高精度の高速定量を可能にし、標準法(従来の分析法)の代替法となりえます。さらに、密度のような物理的パラメーターについても同様のNIR分光法が応用可能であるか検証する必要があります。
| 測定項目 | 分析手法 | 測定時間 |
|---|---|---|
| 尿素含有量 | HPLC | ∼5 分 (サンプル調整) + ∼10 分 (HPLC) |
Internal reference: AW NIR CH-0015-051520