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AN-V-221

2020-05

滴下ビスマス電極を使用した飲料水中のカドミウムと鉛の測定

Simultaneous determination by voltammetry using a Bi drop electrode


概要

人体へのカドミウムの有毒影響を軽減し、また鉛の神経毒性影響を制限するために、世界保健機関の「飲料水の品質に関するガイドライン」における仮の指針値は、カドミウムについては最大濃度を3μg/L、鉛については10μg/Lに設定されています。完全に水銀フリーの滴下ビスマス電極は、ボルタンメトリー分析を非有毒な重金属検出装置としました。この環境にやさしい電極を用いて飲料水中のカドミウムと鉛を同時定量が可能です。


装置構成


サンプル

飲料水、ミネラルウォーター


実験

水試料および支持電解質は、測定セルにピペットで加えます。カドミウムおよび鉛の同時測定は、表1に示されたパラメーターを用いて884 Professional VAを使用しておこないます。両元素の濃度は、カドミウムおよび鉛の標準添加液を2回添加することによって測定します。

Biドロップ電極は、カドミウムおよび鉛の最初の測定の前に電気化学的に活性化されます。

884プロフェッショナル VA オートメーションシステム
図1. 884プロフェッショナル VA オートメーションシステム
表1. パラメーター
パラメーター 設定
Mode DP – Differential Pulse
Deposition potential -1.1 V
Deposition time 60 s
Start potential -1 V
End potential -0.35 V
Peak potential Cd
-0.7 V
Peak potential Pb
-0.5 V

電極

  • 作用電極:Bi drop
  • 参照電極:Ag/AgCl/KCl (3 mol/L)
  • 補助電極:Glassy carbon rod

結果

この方法は、水試料中のカドミウムおよび鉛を最大15 µg/Lの濃度まで測定するのに適しています。検出限界は、カドミウムで約0.1 µg/L、鉛で0.5 µg/Lです。

Determination of cadmium and lead in tap water spiked with β(Cd) = 2 µg/L and β(Pb) = 2 µg/L
図2. カドミウムおよび鉛の測定(β(Cd) = 2 µg/L、β(Pb) = 2 µg/L で添加された水道水)
表2. 結果
サンプル Cd (µg/L) Pb (µg/L)
水道水 (標準試料としてβ(Cd) = 2 µg/L および β(Pb) = 2 µg/L入り) 2.0 2.3

参考資料

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