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CVS分析計のよくある質問 Q&A

CVS分析計(サイクリックボルタンメトリックストリッピング)に関する質問のうち、代表的なものをQ&A式でまとめました。

Q1
CVS測定で何が測定できますか?
A1

めっき液中の既知の添加剤(抑制剤・光沢剤・平滑剤)の濃度を定量するための測定です。添加剤の物質を定性するといったことには不向きです。
ほとんどの場合、硫酸銅めっき液に使用されています。
Q2
硫酸銅めっき液の添加剤以外でどのめっき液の添加剤測定ができますか?
A2 スズめっき液、スズ鉛めっき液、スズ銀めっき液等で使用されることがあります。
ニッケルめっき、亜鉛めっき等その他のめっき液にはほとんど使用されていません。
Q3 硫酸銅めっき液添加剤のメーカーから添加剤を購入してめっき液を運用しています。どのように添加剤濃度をCVS測定・管理すればよろしいでしょうか?
A3 添加剤メーカー各社が添加剤ごとのCVS測定マニュアルを所持しています。このマニュアルに記載された方法に沿って測定して頂ければ測定・運用が可能です。
Q4 めっき液添加剤メーカーから添加剤を購入せず、自分たちで試薬から調製して硫酸銅めっき液を管理しています。CVS測定で濃度定量は可能でしょうか?
A4 多くの場合、定量出来る可能性はありますが、測定パラメータをお客様に開発して頂く必要がございます。どのように測定パラメータ調整するか、測定時の溶液調製をどのようにするかのアドバイスはさせて頂いておりますが、確実に定量できるようになるという保証はございません。ご承知の上、開発に着手して頂ければと存じます。
Q5 硫酸銅めっき液に鉄化合物が含まれているものを使用しています。CVSで測定することは出来ますか?
A5 鉄化合物を含んだ硫酸銅めっき液の場合、CVS測定モードではなく、CPVS測定モードを弊社としては推奨しております。一方で、添加剤メーカーが推奨する方法がCVS測定モードの場合は、添加剤メーカーが推奨する方法で測定を行って頂いた方が確実です。
Q6 CVS測定時に温度管理は必要でしょうか?
A6 温度管理を行って、常に一定温度で測定して頂いた方が測定値の繰り返し精度が良くなる傾向があります。加えて、添加剤によっては温度によって測定値が変わることもあります。各社添加剤メーカー様が測定時の注意点に温度を挙げておりますので、各社のマニュアルに従って頂くのが確実です。
Q7 DT法やRC法でめっき浴測定の前にキャリブレーション測定を行っています。キャリブレーション測定はどの程度の頻度で行うと良いでしょうか?
A7 弊社の推奨は1日1回、めっき液サンプル測定の前に測定して頂くのが一番精度が良い結果となります。
一方で、時間短縮のため、1週間に1回の頻度でキャリブレーション測定をされているお客様もいらっしゃいます。測定頻度や添加剤の種類によってバラツキが変わってくるので、お客様の責任でデータをとって、頻度を決めて頂ければと存じます。
Q8 参照電極の液入れ替え作業や参照電極由来のエラーで困っています。メンテナンスフリーの参照電極はありますでしょうか?
A8 メンテナンスフリーの参照電極はございます。内部液がゲルの参照電極で、液交換は不要です。欠点として、通常の参照電極より寿命が短めです。通常の液交換タイプの参照電極は寿命は約1年程度、ゲルタイプは半年程度となります。
Q9 電極を使用し続けると回転ディスク電極表面が白く曇ってきます。鏡面状態に戻すことは出来ますでしょうか。
A9 使用によって電極が劣化したら電極交換を推奨しております。
電極を使用し続けると、添加剤が付着したり、表面に凹凸が出来る等の劣化が起こります。これを完全に鏡面状態にするには物理的な研磨が必要になりますが、弊社としては研磨は推奨しておりません。(熟練した方が研磨しないと電極表面に傷が残り、ノイズや測定不具合の要因となるためです。)
Q10 回転ディスク電極の交換頻度が3ヶ月~1年と範囲が長く設定されていますが、どのタイミングで交換した方がよいのでしょうか。
A10 お客様のめっき液と同じ添加剤濃度の疑似めっき液 (標準液) を調製して、これをサンプルとして測定してください。調製値と測定値が大幅な乖離が出たり、繰り返し精度が悪い場合、交換となります。
Q11 CVS分析計を設置する環境はどのような場所が適していますか?
A11 振動や電磁波、電源ノイズの影響があると測定データにノイズが現れることがあるため、そのような場所を避けてください。
一般的な実験室に設置可能であり、空調で気温一定の空間の方が繰り返し測定データが安定すると考えられます。
Q12 添加剤測定の測定精度はどのくらいですか?
A12 お使いの添加剤種類、メーカー、測定方法によって異なるため各添加剤メーカーにお問合せいただいた方が確実です。一般的にはDT法5~10%、LAT法・MLAT法10%、RC法10%程度と言われています。